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鈴木 元衛; 川崎 了
Journal of Nuclear Science and Technology, 17(4), p.291 - 300, 1980/00
被引用回数:6 パーセンタイル:58.22(Nuclear Science & Technology)軽水炉のLOCA時のジルカロイ被覆管の水蒸気酸化を計算するコードPRECIP-IIを開発した。本コードは、SIMTRAN-Iの改良バージョンであるが、主に境界条件の取扱い方を改良し、温度降下時における相変化を考慮した計算を可能にした。さらに、実験と計算における反応速度定数を一致させるため、主に相の-Oxide界面の酸素固溶量の値を修正した。酸化実験と同様の温度履歴における計算を行い、重量増加,酸化物層,相層の各厚み、について、比較を行った。その結果、実験データと計算値は、その差が10%以内に大部分おさまるという、比較的良い一致をみた。
川崎 了; 古田 照夫; 鈴木 元衛
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(8), p.589 - 596, 1978/08
被引用回数:61ジルカロイ4管の水蒸気による酸化を900~1330Cの間で測定した。酸化速度は、1000C以上では放物線則、950C以下では対数則に従った。酸化した試料の延性は1000C以上では、酸化量の増加と共に、又反応温度の上昇と共に(酸化量が同じであっても)低下した。950Cで酸化した試料は、酸化量が少なくても著しく脆化した。これらの実験結果により、酸化については、ECCS性能評価指針は安全側にあることが確かめられた。
鈴木 元衛; 川崎 了; 古田 照夫
JAERI-M 6879, 23 Pages, 1977/01
反応温度1184C~1330Cにわたって、ジルカロイ管の水蒸気による酸化反応速度と、反応後の管の延性低下を調べた。酸化による重量増加、ZrO層および層の厚み変化は、何れも放物線則に従う事を見出した。この結果と、1000C~1200Cまでの反応のデータとを結合して、1000C~1300Cまでの範囲に適用できる反応速度定数を得た。延性は、重量増加の増大と共に減少し、同一の重量増に対しては、反応温度の高いほどその減少は大きい。
古田 照夫; 川崎 了; 橋本 政男; 大友 隆
JAERI-M 6601, 26 Pages, 1976/06
軽水炉の冷却材喪失事故における燃料破覆管と水蒸気との反応挙動を解明するため、ジルカロイ-4管の水蒸気による酸化速度と酸化による延性の変化を測定した。ジルカロイ-4の水蒸気による酸化量は、反応温度1000C以上で反応時間の平方根に比例し、反応速度定数Kp=6.6010exp(-41600/RT)(180/cm/sec)である。反応温度900Cおよび950Cの短時間反応の場合、酸化量は反応時間の対数に比例し、原子炉運転中に生成される被膜はこれら反応温度で酸化速度を遅くさせる効果をもっている。酸化液試料の延性は酸化量の増加とともに低下するが、その脆化挙動は水蒸気との反応温度によって異なる。同一酸化量の試料を比較すると、低温で反応させた試料は、高温で反応させた試料よりも侵入相が多いにもかかわらず延性の低下が少ない。
山本 克宗; 伊丹 宏治; 野村 末雄
日本原子力学会誌, 17(11), p.609 - 616, 1975/11
JMTRの炉内高温ヘリウムガスループ(OGL-1)の炉内管材料として使用されるHastelloy Xについて、1000C付近における耐酸化性試験を行なった。炉内管内では高速でヘリウムガスが流れるため、特に流動ヘリウム中での酸化挙動を調べた。この結果、流速が大きい場合には、酸化皮膜の最外層の酸化物粒子が吹きとばされたり、降温時に酸化皮膜が剥離しやすくなるという現象が観察された。また高流速ヘリウム中では試片の端部が激しく酸化された。酸化皮膜は合金素地と酸化皮膜との境界部、その上にCrOから成る内層、およびCrとMnのスピネル酸化物を主成分とする外層から構成されていることが判った。また、酸化侵入深さは900Cでは三乗則に、1000Cでは自乗則に従がって増加した。これらの速度則の違いは酸素原子の合金中の拡散形態が粒界拡散と体積拡散のいづれが支配的であるかによると考えられる。